こども発達支援教室アクア blog

神奈川県伊勢原市にある児童発達支援・放課後等デイサービス こども発達支援教室アクアのブログ

ごまかすしかない子どもたち 1

 発達障害のある児童が「あやふや」な理解のまま先へ先へと進んでしまうことで、問題が先送りされて後々大きくなってしまうのは算数だけでなく、国語の場合でもしばしば起こります。特に顕著なのが音読です。


 全く読めない訳ではない。けれども読んでいる最中に時々、「ごにょごにょ」と急に聞き取り難くなったり、文章が微妙に違う言い回しになる子たちがいます。

 

 こうした子たち達に対して、周囲が「これはこの子の特性だから」とあまり問題視していなかったり、口うるさく注意して音読自体を嫌がるといけないからと、読み方を直さないままでいることがあります。知的な遅れや自閉症発達障害がある場合に、教える側がそれらを障害のせいにして、それ以上原因を考えなくなってしまうのです。

 

 しかし、この「ごにょごにょ」や「微妙に異なる言い回し」が特定の場面でのみ見られるのであれば、それは障害特性そのものではなく、単に分からないことをごまかす為の手段になっている可能性がとても高いです。実は漢字が読めなかったり、ちゃんと文章を見て認識していなかったり、あるいは単語の意味自体を知らないのかもしれません。

 

 分かっていることが前提の状況で、自分だけが分かっていないのかもしれないという事態は、発達障害の有無に関わらず子どもの自尊心をひどく傷つけます。分からないまま読まなければいけない事態を日常的に経験し続けてきた結果、身に付けたのが、「ごにょごにょ」や「微妙に異なる言い回し」によってその場をやり過ごす手段(=ごまかし)なのかもしれないのです。

 

2につづく