こども発達支援教室アクア blog

神奈川県伊勢原市にある児童発達支援・放課後等デイサービス こども発達支援教室アクアのブログ

取り扱い注意! プリント学習 2

 その日によって出来たり出来なかったりする発達障害の子どもたちの、計算の途中経過を細かく見て行くと、1ケタの足し算・引き算や10の合成と分解、そして九九の理解があやふやな場合が多いです。筆算の手順が毎回微妙に違っていたり、独特なやり方をしていることもあります。

 

 この「あやふや」というのがポイントで、毎回間違えたり、まるで分かっていない訳ではないのです。かといって勘違いのケアレスミスとも違います。指摘されて「あっ!」と自分の間違いに気づいたりはしないのです。

 

 例えば、ある時は5+0=5、5×0=0と出来ていたのが、ある時は5+0=0、5×0=5と間違えたりするのですが、その時に「ここ、おかしいよね」と指摘されたら、とりあえず言われた通りに直すだけ。
 元々、足し算・引き算や九九の理解が完璧になっていないのです。だから、指を使って計算していたとしても間違えてしまう。

 

 学年が上がって、より複雑な問題に取り組めるようになっても、結局はこの部分が引っかかってしまい、ある時は出来たことが別の日には出来ないといった状況を生み出します。つまり、学習の積み重ねによる知識の定着が出来ていないのです。

 

 前回述べたように、その子はやがて算数が嫌いになるか、授業中にぼーっとしてやり過ごす癖が身に付き、気づいた時には学校の勉強についていけない上に、具体的にどこから手をつけて良いのか分からないといった状況に陥ってしまいます。そうなってから家庭や学校だけで立て直しを図るのは相当に厳しいのではないでしょうか。

 

 算数プリントで仮に70%くらいの正解率だとしても、半分以上できてるから大丈夫とは限りません。単純な計算こそ、ほぼ100%確実に出来ていなければ、いずれ必ずつまずきます。そして、公○や○研の教室のように次々とプリントをやらせていく学習スタイルの恐いところは、発達障害の児童のつまずきの本質に周囲が気づかないまま先送りにしてしまう可能性が高いという点なのです。

 

 ちなみに、私たちも市販されている公〇や〇研のドリルは使います。オリジナル教材を売りにしている放課後等デイサービスもありますが、大手の学習塾が作っている教材と違って内容に乏しいというのが印象です。それらを使うくらいなら市販の教材の方がはるかによく出来ています。プリントをはじめとした教材はあくまで道具なので、どう使うかが重要なのです。