こども発達支援教室アクア blog

神奈川県伊勢原市にある児童発達支援・放課後等デイサービス こども発達支援教室アクアのブログ

不注意や多動の対処法 2

 学校の勉強や日常生活、対人関係について、私たちは日々の経験を通して様々なことを学んでいます。何かで失敗すると同じ思いは二度としたくないので、次からは判断や行動を変えようとします。

 

 しかし、多動や不注意の問題を抱えた発達障害の子たちにはこれが非常に困難です。注意があちこちに飛んでしまうので、自分がどうして出来なかったのか、あの時に失敗したのは何故なのかを振り返ることが難しく、同じ失敗を繰り返してしまうのです。学校の授業も聞いていないことが多く、当然のことながら勉強が遅れるケースも少なくありません。

 

 最も重要なことは、多動や不注意の問題を抱えた発達障害の子どもたちが学習できずに足踏みしている間に、同学年の子たちは同じ環境内の経験から多くのことを学び取って成長し、学習面だけでなくコミュケーションや社会性も複雑化させていくことです。
 相対的に、多動や不注意の問題を抱えた子たちは集団の中で取り残されてしまいます。そして、自信の喪失から不登校になったり、学習への意欲を失ったり、将来的には鬱病になるなどの精神的な不安定さに繋がることもあります。

 

 10歳前後になると身体的な成長に伴って、目立ったAD/HD的な特徴が見られなくなるケースもありますが、不注意傾向は残ることが多いですし、それまでに苦手なことを回避する傾向が身についてしまっていたり、上記のような容易に埋められない差がついてしまっていることが問題なのです。

 

 服薬については、そのリスクとメリットを比較して決めるというのはよく言われることですが、社会の中で育っている真っ最中の子どもたちについては、「服薬しないことによる学ぶ機会の喪失」という視点についても十分に意識した上で、よくよく検討して頂ければと思います。